【英会話の勉強法】英語に一度挫折した人が独学で上達する7つのポイント
「学校や塾での勉強、TOEICの受験、英会話スクールとひと通り勉強をやってきたはずなのに、それでも上手に英語が話せない……」 「仕事で英語を使う機会が増えているが、苦手意識がまったく消えない……」
英語学習を始めたけれどなかなか上達できず、挫折してしまったという人は多いかと思います。
一方で、大人になってからも当初は話せなかったのに、いまでは英語が積極的に使えるようになっている人もたくさんいます。その人たちはいったいどんな勉強をしたのでしょうか?実際に話せるようになるためには、何がポイントになるのでしょうか?
もっとビジネスシーンでも英語が使えるようになりたい!
そこで今回は、本気で英語が話せるようになりたい人たちに向けて、独学でTOEIC900点以上のレベルにまで英会話を上達させる勉強法をお伝えします。
<目次>
「使える・伝わる」英会話になっていない理由を考える
英語力上達のコツ
TOEFLまたはIELTSテスト対策の教材で勉強する
一定量の英単語を詰め込む
リスニングとリーディングと語彙力アップの学習を組み合わせる
英文法とは気長につきあう
多読する
海外ドラマ・映画・動画を使って学習する
英語はツールとして使う
「使える・伝わる」英会話になっていない理由を考える
学校や塾で勉強し、TOEICも受験。さらに英会話スクールにも通ったのに、上手に英語が話せるようにならない…本気で英語力を身につけるには、まずはじめに英会話が使えるようになっていない、その原因や理由を考えることが重要です。
「間違いを恥ずかしがって、英語を十分に使っていない」「英語ができなくても、実はそれほど困らないと思っている」など、人それぞれに理由はありますが、確実な上達を目指すにあたり、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。社会人になってから英語力を伸ばしたというAさんを例に説明しましょう。
不十分な目的・動機づけ
ひとつめは、英語・英会話を勉強する目的や動機づけ。
Aさんは、外資系企業に就職して「仕事で英語を使う」という環境ができてからも、英語が話せるようにはなかなかなりませんでした。
英会話の勉強法を劇的に変えるきっかけになったのは、アメリカのスーパーで買い物をしたときのこと。レジ係の人に「紙袋とビニール袋、どっちにしますか?(Paper or sack?)」と聞かれたのに答えられず、舌打ちされたうえに品物を乱暴に渡されてしまい、大きなショックを受けたそうです。
英会話を勉強することへの強い動機づけは、英語を実際に使う経験のなかで起こりやすいものです。英語学習に本気で取り組めていない人は、こうした実際に使ってみるといったアクションやチャレンジがまだ足りないのかもしれません。
英語でできるようになることへの想像力不足
ふたつめのポイントは、英語ができるようになった自分や見えてくる新しい世界を想像し、テンションを高める努力をしているかどうか。もちろん、これは実際にそうなってみて初めてわかることですが、英語が読める・聞けるようになると、日本語のニュースで言われていることが当たり前とは限らなくなり、海外の有名メディアでも、意見は互いに違っていたり、それぞれの立場から発信されていることなど、「ものの見方は多様である」ことがわかるようになります。
すると日常の会話の中でも、異国で生まれ育った人たちともっと心で通じ合えるようになります。同じ「ありがとう」のひとことでもその深みは変わってきて、何かを一緒に達成できたりしたときは、ささいなことであっても気分がとても高揚する感覚に、Aさんは喜びを感じるようになったそうです。
場当たり的な勉強
英語が使えなかった3つめの理由は、場当たり的な勉強になっていないか。たとえば中学校・高校の頃に英語塾に通っても、当時は試験で点数をとること以外の目的をあまり考えず、勉強が一時的な暗記にとどまっていた、という人が多いかと思います。
また社会人になって仕事で英語を使う機会が増えると、英会話学校に通い始める人がいます。最初のうちはネイティブの講師と英語で会話できることが新鮮に感じられ休むことなく通いますが、座学などの勉強を並行して行うこともなく、会社の仕事が忙しくなってくると英会話のコツも上達も実感できないまま、レッスンに通う回数も徐々に減っていってしまいがちです。問題は、学生時代も社会人になっても、“場当たり的な勉強法”になっていることです。
目的・動機づけが十分か?
英語でできるようになることへの想像力が不足していないか?
場当たり的な勉強になっていないか?
もしもいろいろと勉強しているのに、なかなか上達できない人は、一度これらのポイントを考えてみてください。ひとつでも当てはまるものがあれば、英会話の勉強法を根本から見直してみることが大切です。
ここからは、上記反省を踏まえ、独学で英語を上達させるための具体的な方法を紹介していきましょう。
【英語力上達のコツ1】TOEFLまたはIELTSテスト対策の教材で勉強する
英会話学習では、ただ言葉について勉強するだけでなく、教材の内容にも興味を持てることが重要です。そのほうが英語の勉強がよりおもしろくなり、持続しやすいです。この点で、ビジネス目的の英語学習者にも、TOEICよりTOEFL、またはTOEFL相当のテストであるIELTSテスト対策の教材がおすすめします。
TOEFLの教材が取り上げる内容には、例えば、ニューヨーク州の歴史と文化、ジャズ音楽、歴代の大統領、大陸横断鉄道の開通、発電所、地震波、アメリカの公園制度、イルカの生態などが含まれます。英語ということを抜きにしても、おもしろく学べるコンテンツです。
TOEFLとIELTSは英語圏留学に求められるテストであり、「聞く(listening)」、「読む(reading)」、「話す(speaking)」、「書く(writing)」の4つのスキルを組み合わせて英会話の能力を磨くことができます。したがってその対策の教材で学習するときも、4つのスキルをそれぞれ高めることや、さまざまに組み合わせることに意識を置くとよいでしょう。
【英語力上達のコツ2】一定量の英単語を詰め込む
英語学習において、英単語の習得は不可欠です。出会ったときにわからない単語の数が少なくなるほど、英語を読む怖さが消え、楽しさが増し、英語理解力の伸びが実感できるものです。
英単語の学習におすすめの教材は、『【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)』です。4つにランク分けされた単語集で、ランク2までの約1800語がTOEFL iBT80点レベルの単語とされています。仮に80点を目指すとしたら、実際はランク3の途中まで学習するイメージで取り組むとよいでしょう。時間がかかってもいいので、一段一段上るように、最終的には最後のランク4を目指したいものです。
単語カードを作って繰り返し見たり、CDも付いているので繰り返し耳に入れながら発音したりして覚えるとよいでしょう。また別のエントリでおすすめしたように、中級者であれば、知らない単語を見つけたらThesaurus.comのような類義語辞典も開いてみてください。類義語による単語学習は、日本語を介さずに英語を扱うことができる能力としての「英語脳」を鍛えることにつながります。
【英語力上達のコツ3】リスニングとリーディングと語彙力アップの学習を組み合わせる
「リスニング(聞く)」を上達させるひとつの方法として、「リーディング(読む)」も組み合わせながら、その中でボキャブラリー(語彙力)も増やしていくことが大切です。
教材は、『TOEFLテスト基本ボキャブラリー2000語1日1レッスン20日で完全マスター』がおすすめ。本書はリスニングの教材ではありませんが、音声(CD)と英文と訳文がセットになっており、また「文脈の中で覚える単語集」でもあるからです。
何度もリスニングして、わかるまでは英文をじっくり読み、単語や熟語の知識も増やし、全体的な意味が取れるようになるまで繰り返します。一語一語に気を取られるのではなく、ある程度のまとまりで捉えるように、全体を把握することを意識しましょう。
英語を聞きながら、後から追いかけるように発音を真似して言ってみる「シャドーイング」に挑戦することも、リスニングの上達につながると思います。
【英語力上達のコツ4】英文法とは気長につきあう
英語学習において英文法に苦手意識を持つ人は多く、英会話には必要ないという意見もあるようですが、文法とは言葉を使う際のルールのようなものです。英語力の伸び悩んでいる人が壁を乗り越えるためには、英文法はやはり避けて通れません。
しかし、「使える英会話にすること」が主眼であれば、正しく暗記しようとする必要はありません。まずはルールをひと通り勉強し、実際に英語を使っていく中でわからなくなることが出てくれば、後でまた参考書を見返すことの繰り返しでいいと思います。
TOEFLの英文法の参考書としては『TOEFL TEST対策完全英文法』、またよりコンパクトなものとしては『キク英文法』や『英文法のエッセンス』などがあります。英文法の問題集を使い、ゲーム感覚で文法問題を数多く解いていくことも、英語のルールの習得に役立つでしょう。初級者向けには、無料で学べる語学学習アプリDuolingoをおすすめします。
【英語力上達のコツ5】多読する
英語の習得においては、大量のインプットを行うこと、「とにかくたくさん英文を読む」ことが重要だといわれます。多読は、語彙力や文法力の向上につながり、リスニングの上達にも関係します。ネイティブの話すスピードは1分間に200単語と言われていますので、多読によって英語の処理能力をそこまで向上させることを目標にしましょう。
教材には、リーディング教材や対訳本がまずおすすめです。もし仕事で英語の業界誌や専門書や論文を読むことが求められるなら、その機会を利用して英文を読む経験を増やしましょう。
また、英字新聞や英語ニュースサイトも、多読の教材として利用できます。『The Japan Times』のような英語ニュースサイトは無料で読めますし、英語ニュースを読むなら、SmartNewsのようなスマホのアプリを活用することもできます。アプリを起動して画面右下の「設定」を押し、「各国版」を押して「アメリカ合衆国」か「インターナショナル」を選ぶと、英語のニュースが読めるようになります。
気になった単語を調べる辞典としては、まず「英辞郎 on the WEB」のような英和辞典があります。また中級者以上にはThesaurus.comのような類義語辞典がおすすめです。直接英語で考えるように脳を働かせるトレーニングになります。自信がついてきたら、Merriam-Websterなどの英英辞典にステップアップするとよいでしょう。
【英語力上達のコツ6】海外ドラマ・映画・動画を使って学習する
ネイティブの英語表現を学習する方法として多くの人たちが実践しているのが、海外ドラマや映画を繰り返し視聴すること。TOEFLやTOEICの教材では学べない、カジュアルな表現や生きた英語に触れることができます。
好きなドラマや映画を選び、同じものを繰り返し見て学習することが重要です。まずは日本語字幕付きから始め、次に英語字幕に切り替え、最後は英語音声のみで挑戦するというステップを踏みます。
気になったフレーズや知らなかった単語などはメモをとりながら繰り返すことで、記憶に定着する英語表現のストックを少しずつ増やしていけるでしょう。
英語学習教材の定番としてよく勧められる海外ドラマが『FRIENDS』です。放送されていたのが2004年までのため、使われている英語表現が古い部分もあるようですが、日常会話で使えるフレーズを多く学べるドラマとして人気です。
海外ドラマや映画は長すぎるという人には、YouTubeの英会話動画やTED Talksのスピーチ動画をおすすめします。TED Talksはさまざまな分野で活躍する専門家たちによる10分から20分程度のプレゼンテーション動画を無料で配信するサービスで、短い時間でも生きた英語を学習できます。
おすすめはケン・ロビンソン卿の「教育に革命を!」というスピーチ。「能力と知性についての私たちの考え方を再構築する」という重要なテーマについて、ユーモアを随所に交えながらメッセージを伝えています。最後に紹介される短い詩も美しいので、ぜひ視聴してみてください。字幕(Subtitles)を英語に、原稿・台本(Transcript)を日本語にして学習するといいでしょう。
【英語力上達のコツ7】英語はツールとして使う
最後に、英会話学習でたびたび強調される考え方として、「英語はツールとして使う」というものがあります。ビジネスのために英語が使われるときに、この考え方が重要であると感じられる顕著なケースをふたつご紹介します。
英語で消耗して、本来の目的を損なうのはもったいない
通常ビジネスで英語を使うときには、何か達成したい目標があると思います。それは、海外の取引相手との共同プロジェクトを成功させることだったり、長期的な信頼関係を築くことだったりするかもしれません。
仕事での英語使用経験が長い人に比較的よく見られる傾向として、英語の使い方がぞんざいになっている、ということがあります。英語を使うことには慣れているが、英語への苦手意識は克服できていないというケースです。
そのような人にありがちなことのひとつに、自分の都合と相手への要求だけを繰り返すというものがあります。相手がストレスを感じはじめていることを示唆していても、それに気づかない、もしくは気づいていてもコミュニケーションの仕方を調整するのが面倒くさく感じるのかもしれません。
そこの努力を怠ると、取引関係がぎくしゃくする恐れもあります。そのような人が新しく担当者になることが、長期的には取引の継続を左右する場合も考えられます。
ビジネスがうまくいくことを望むのであれば、苦手意識を抱えたまま英語を使い続けるのではなく、英語でも繊細なコミュニケーションができるようになるための努力をもう1度始めるべきでしょう。
ある単語や言い回しが出てこないときは、別のものに言い換える
日本人が英会話の中でよくつまずく理由のひとつに、「〇〇って英語で何て言うんだっけ?」という思考にとらわれていることが挙げられます。これは、日本語と英語の間に一対一の対応があるという誤解に基づいており、思い出せそうな単語や言い回しが見つかるまでは、会話が止まってしまう原因になります。
しかし、「英語はツールである」と考えるなら、言おうとした言葉や表現がすぐに出てこない場合は、即座に同じことを別の表現で言う習慣が身につきます。出てこなかった英語は後で調べるとよいでしょう。ここでもまた、類義語辞典を活用すれば「英語脳」を鍛えていくことができます。
とにかく英語を声に出して使い続けよう
独学で英会話を上達させるポイントをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
英語はツールとして使うものですが、私たちの見ることができる世界を将来確実に変えてくれるツールでもあります。
実際に使ってみて時間をかけて習得していくものなので、とにかく声に出してみましょう。言い間違いはあって当然で、それも楽しみながら長く使い続けることが大事です。
英語が使えるようになる世界をイメージしながら、英会話の勉強をぜひ始めてみてください。